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パーソナリティ障害|全10種類のタイプや特徴・症状から、原因・診断・治療法についてわかりやすく解説。

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パーソナリティ障害とは、大半の人(一般人)とは異なる捉え方や感情を持ってしまい、結果的にとる行動パターン(人柄・性格など)が対人関係や社会活動において障害となるものです。

本記事では、そんなパーソナリティ障害について専門性も交えつつ、誰にでもわかりやすいよう解説していきます。

 

本記事の内容

  1. パーソナリティ障害の詳細や概要
  2. パーソナリティ障害の全10種類
  3. パーソナリティ障害の原因となる要素
  4. パーソナリティ障害の診断方法および治療法

 

Contents

パーソナリティ障害とは

~ パーソナリティ障害の定義 ~

パーソナリティ障害とは、その人が持つ特有の「認知」が生じて、あらゆる「行動」へ変換された結果、対人関係における「反応・行動パターン」が一般大衆(多数の人・常識)と比べて著しく異なり、その枠から大きく外れてしまうことで、社会的な活動(コミュニティ・組織などでの対人関係)に問題が生じる精神障害をさします。

 

認知とは

認知とは、物事の「見方・捉え方・考え方・受け取り方・理解・解釈」といったものに該当し、パーソナリティ障害の方は一般的多数の人、または常識的なものとは著しく異なります。

行動とは

行動とは、「認知」によって引き起こされる言動や反射的な瞬時で反応、自然な状態での立ち振る舞い方や人柄など、無意識に継続的・持続的・連続的に行われる「行動パターン(人格)」に該当し、パーソナリティ障害の方は一般的多数の人、または常識的なものとは著しく異なります。

障害とは

障害とは、健常者と呼ばれる世間一般の多くの人とは異なり、何らかの障壁によって生きづらさをもつ状態をさします。

精神障害の場合は、精神に何らかの異常をきたしてしまうことで、対人関係が困難な状態になってしまうことや、普通の人のように行うことが難しい状態をさします。

パーソナリティとは

パーソナリティ(Personality)とは、日本語に訳すると「人格・性格」を表す言葉です。人格や性格という類の意味は、心理学では「認知」からくる持続的な「行動」のパターン(人柄・瞬間的な反応・考え方)などを統合して形成されたものをパーソナリティと呼びます。

つまりパーソナリティ障害は、パーソナリティが障害となって社会での活動が困難になってしまう精神的な問題をさす言葉です。

 

パーソナリティ障害の【種類:一覧】

グループパーソナリティ障害の種類
A 群1. 妄想性パーソナリティ障害:不信感・猜疑心(さいぎしん)が強い傾向
2. シゾイドパーソナリティ障害:1人を好み、他者へはほぼ無関心な傾向
3. 統合失調型パーソナリティ障害:奇妙で独特な感性を持ちやすい傾向
B 群4. 演技性パーソナリティ障害:注目への欲求が強く、あらゆる手段を使う傾向
5. 境界性パーソナリティ障害:見捨てられへの不安が強く、感情や言動の起伏が激しい傾向
6. 自己愛性パーソナリティ障害:自尊心の欠如と劣等感が強く、自身の過大評価や称賛を求める傾向
7. 反社会性パーソナリティ障害:ほとんど罪悪感を感じずに、犯罪的な言動を行う傾向
C 群8. 回避性パーソナリティ障害:拒絶への恐怖心が強く、人との接触を回避しやすい傾向
9. 強迫性パーソナリティ障害:完璧主義で独自のルールにこだわり、他社へも押しつける傾向
10. 依存性パーソナリティ障害:他者のへの服従・依存が強く、自分の判断ではなく他者に任せる傾向
※パーソナリティ障害の「全10種類」にて、それぞれの概要を解説しています。

このようにパーソナリティ障害は、大きく「A群・B群・C群」の3つのグループで形成れており、さらに各群から複数のタイプに分別されています。

 

パーソナリティ障害の「特徴」とは

パーソナリティ障害の「全タイプに共通する大きな特徴」としてあげられるのは「認知・行動」の両面において極端に偏っていたり、一般的なの人の枠より大きく外れているという部分です。

また、この『一般の枠から外れた極端な「認知」とその後の「行動」』を理解するには、認知と行動のメカニズムを具体的にわけてみるとわかりやすいでしょう。

パーソナリティ障害 特有の「認知」

柔軟な「考え・捉え方・受け入れ・解釈」などが困難となり、全ての物事において「どっちか」という白黒思考や極端な考えをもってしまう傾向にあります。

パーソナリティ障害 特有の「行動」

「極端に偏った思考行動パターン」へ変化するため、対人関係や物事において臨機応変に対応したり柔軟になることができなくなり、同じ行動を「継続的・持続的」に繰り返しおこなう傾向にあります。

このようにパーソナリティ障害は、すべての種類において同様のメカニズムとなっているため、あらゆる物事への思考と行動パターンが著しく極端になってしまったり、多数の人の枠から大きく外れているのが「共通してる大きな特徴」となります。

 

パーソナリティ障害の主な「症状」とは

  1. 自己同一性の欠如
    • 自己同一性とは、自分は「何者なのか?」を認識すること、またはその感覚を指します。
    • 自己感覚とは、主観的に「自分の存在に対して、自分であり存在している」と感じる感覚を指します。
  2. 対人関係を作り、維持する能力の欠如
    • 対人関係を作り、維持する能力とは、自ら人間関係を作る能力、またそれを維持していく能力を指します。

 

1. 自己同一性(自己感覚)の欠如

パーソナリティ障害の人は、自分が「何者なのか?」というイメージや捉え方が曖昧であったり、安定しないことが多々あります。

そのため、人や環境に影響されやすくなり「自分が”良い人”の時」という状態や「自分が”悪い人”の時」といった状態が、期間や環境で常に変化するようになり、人間性のバラつきや一貫性の無さがあらわれやすくなります。

またその結果、自分が「何者なのか?」ということがわからなくなってしまい、行動パターンが奇行化(一般的な多数の人間=普通とは異なる)ことが多くなるわけです。

 

2. 対人関係を作り維持する能力の欠如

パーソナリティ障害の人は、他者と良好な関係を作り維持する能力(対人関係能力)が欠如しているため、人間関係において苦労することが多くあります。

例えば、相手の気持ちがわからないことが多いため、嫌がる発言や行動を起こしてしまい、長い付き合いができなくなってしまったり、そもそも「人間関係を作る」という段階でも、困難を感じたり苦労する方も多いです。

このように「自己同一性(自己感覚)の欠如・対人関係を作り維持する能力の欠如」というのが、パーソナリティ障害全般における症状となります。

 

【重要】パーソナリティ障害の診断における症状について

上記でも述べた通り、パーソナリティ障害は全部で10種類ものタイプに分けられます。ですが、必ずしも診断されたタイプのみに、その特性が当てはまるわけではありません

あくまでタイプ名は「治療目的を明確にするため」であって、人によって複数の特性をもつ者から、様々なタイプの特性を1部分ずつもつ者など「十人十色」異なります

ですから、診断された名目は「どのタイプの傾向が強く・多く当てはまる特性をもっているか?」などを表す指標となります。

 

 

 

パーソナリティ障害の「全10種類」とは

グループパーソナリティ障害の種類
A 群1. 妄想性パーソナリティ障害:他者の言動を攻撃に感じ、不信感・猜疑心(さいぎしん)が強い傾向
2. シゾイドパーソナリティ障害:1人を好み、人間や社会に対してほぼ無関心な傾向
3. 統合失調型パーソナリティ障害:親密な関係が苦手。奇妙で独特な感性を持ちやすい傾向
B 群4. 演技性パーソナリティ障害:注目への欲求が強く、あらゆる手段を使う傾向
5. 境界性パーソナリティ障害:見捨てられへの不安が強く、感情や言動の起伏が激しい傾向
6. 自己愛性パーソナリティ障害:自尊心の欠如と劣等感が強く、自身の過大評価や称賛を求める傾向
7. 反社会性パーソナリティ障害:ほとんど罪悪感を感じずに、犯罪的な言動を行う傾向
C 群8. 回避性パーソナリティ障害:拒絶への恐怖心が強く、人との接触を回避しやすい傾向
9. 強迫性パーソナリティ障害:完璧主義で独自のルールにこだわり、他社へも押しつける傾向
10. 依存性パーソナリティ障害:他者のへの服従・依存が強く、自分の判断ではなく他者に任せる傾向

 

1. 妄想性パーソナリティ障害とは

妄想性パーソナリティ障害とは、他者から受ける言動に対して「敵意や悪意」といった、何らかの害があると認知(捉えたり・解釈をしてしまう)ことが多く、根拠がなくても疑ったり不信感をもつタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:他者の言動に対して「何らかの悪意を持ってやってことで、自分は傷つけられたんだ」と解釈してしまい、その反応として「反撃・攻撃」といった怒りの類に変換されやすくなる傾向・事例があります。

症状例

  • 冗談を悪意と捉えて通じないことがある
  • 仲のいい相手でも個人的情報が言えない
  • 何でもない会話の単語に悪意を感じとる
  • 褒められても、利用するためだと感じる
  • 長期にわたって屈辱や敵意感情が続く

有病率

日本では、推定0.4〜5.1%の人が発症、または有病しているとされます。

 

2. シゾイドパーソナリティ障害とは

シゾイドパーソナリティ障害とは、社会との関係に距離をとること・人との親密な関係になることへ対して全般的(あらゆる側面)に無関心である、または対人関係における感情表現や反応が少ないタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:家族以外の親しい相手はおらず、またゲームなどの社会や人との繋がりが少ない活動を好みやすいため、恋愛をすることは非常に珍しいことで「親密な関わりへの関心も少ない」という傾向・事例があります。

症状例

  • 基本的に反応が薄い
  • 人との関わり自体を好まない
  • 1人で完結する趣味・物事を好む
  • 他者からの言動に興味関心・反応がない
  • 喜びや怒り、その他の感情も薄く無関心である

有病率

2001年頃に行われたアメリカの調査では、推定3.1%の人が発症、または有病しているとされており、女性に比べて男性の方が発症しやすい傾向にあります。

 

3. 統合失調型パーソナリティ障害とは

統合失調症型パーソナリティ障害とは、人との親密な関係でいることにリラックスできない、または親密な関係を築く能力が低い特徴があり、強い認知の歪みをもち奇妙な行動パターンを起こしやすいタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:慣れない人や環境で長時の間滞在をすることが困難であったり、時間が経過しても慣れることができずに不安感を感じやすく、また対人関係においても「親密な関係を築く能力が低い・居心地が悪いと感じる」などの傾向・事例があります。

症状例

  • 疑い深く妄想しやすい
  • 親密な関係に不快感を感じる
  • 変わった服や格好、着こなし方をする
  • 家族などを除いて、親しい関係がない
  • スピリチュアル的なものを強く信仰する
  • 物事の言い回しやフレーズ、具体性が奇妙である
  • 迷信的なものが存在すると思い、言動に影響する
  • テレパシーや超能力が存在する・使えるなどと思い込む

有病率

世界の一般的な人口の割合では、推定3.9%の人が発症、または有病しているとされます。

 

4. 演技性パーソナリティ障害とは

演技性パーソナリティ障害とは、過度に「注意・注目」が集まることへの欲求があるため、常に目を引くような行動を起こしたり、注意が集まらないと感情的になる行動パターン(反応)をもつタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:注目を集めるために静的に誘惑する格好を好み、人とのコミュニケーションでは「自分中心の話題・虚言癖・役柄を決定して演じる」などの傾向・事例があります。

症状例

  • 性的に誘惑するような格好をする
  • 興味の有無に関わらず、誘惑をする
  • 新しいものを好むが、すぐに飽きる
  • 長続きする人間関係がほとんどない
  • 話題の中心になっていたいと強く思う
  • 話題や話の内容が虚言・誇張したものとなってしまう
  • 影響を受けたり信じやすい反面、騙されることも多い
  • 興味を集めるために、幼児的行動(泣くなど)を起こす
  • コミュニケーション間で役柄を決め演じていることがある

有病率

2001年頃に行われたアメリカの調査では、推定1.84%の人が発症、または有病しているとされます。

 

5. 境界性パーソナリティ障害とは

境界性パーソナリティ障害とは、人間関係や自己像・気分に不安定性をもっているため、激しい気分の変動が起きたり不安定さをもっており、また、拒絶への恐怖・過敏性や「見捨てられ」への不安も強いタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:拒絶されることや見捨てられることへの恐怖心・不安が強いため、気分の起伏が激しかったり自傷行為にいたって面倒を見てもらおうとする傾向・事例があります。

症状例

  • 誰かからの同情を誘うために人間関係を混乱させてしまう
  • 衝動的で、感情的になると異常な問題行動を起こしてしまう
  • 「良い面・悪い面・幼い面・大人な面」の自分が分離している
  • 根底・ベースとなるのは、常に見捨てられへの不安があること

有病率

推定、日本人口の0.5〜5.9%の割合で発症、または有病しているとされます。※女性に多いというデータ(根拠)は存在しません。

 

6. 自己愛性パーソナリティ障害とは

自己愛性パーソナリティ障害とは、自分に対する賞賛への欲求や過大評価への感覚・意識などが強いが、自尊心や能力などは低いため傷つきやすい、また他者への共感力が著しく欠如しいるタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:自分自身を過大に評価したり「褒められたい・認められたい」といった賞賛欲が強い反面、自尊心や能力は低いことが多いため傷つきやすく「他者を過小評価・特別、人気な人との関わり」を好む傾向・事例があります。

症状例

  • 他者の成功を認めたり、褒めることができない
  • 他者からの指摘・評価への耐性が弱く、傷つきやすい
  • 他者が成功すると、相対的に自分の価値が下がったと思う
  • 賞賛・承認への欲求が強いため「支配・操作・独占」しようとする
  • 低い自尊心・無価値観・劣等感が強く、押し付け・恩着せがましい行動が多い
  • 支配・操作する=依存心が強いため、秘密事を許せず話せと言うが解決はできず怒る

有病率

固定的な地域の調査によると、0〜6.2%割合ので発症、または有病していたとされています。その中でも、男性の割合が多く、半分以上を占めていたことがわかっています。

 

7. 反社会性パーソナリティ障害とは

反社会性パーソナリティ障害とは、個人的な利益・快楽といった「望む・求める物事」のためであれば犯罪・違法などの「あらゆる行為」に至ってしまうため、他者への気持ちや感情を軽視しやすく「自分への呵責感」もほとんど感じないタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:自分の取った行動が相手に対して「搾取・不利・害」な事や条件であっても「罪悪感・関心さ」が欠如しているため、自分の言動を合理的かつ正当であると思い込み・主張しやすく、また被害者に対しては「無能・無力」だと責める傾向・事例があります。

症状例

  • 借金を返さない
  • 理由なく仕事を休むことが多い
  • 衝動的になりやすく、違法な行動へも至りやすい
  • 暴力的に人を傷つけることや騙すことがあるが、それらを正当化する
  • 他者への軽視:自分の行動で相手が受ける影響を想像・思考できない

有病率

全体人口の0.2〜3.3%割合で発症、または有病しているとされます。

 

8. 回避性パーソナリティ障害とは

回避性パーソナリティ障害とは、自意識過剰で臆病なため「他者や社会から拒絶・屈辱・批判」を受ける可能性のある交流・活動を回避する反面、愛されたい・認められたいといった受け入れへの欲が強いタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:他者からの拒絶、または批判が怖いため、人間関係の交流を過度に避けてしまったり、職場などで責任が問われる地位につくことを拒んでしまうといった傾向・事例があります。

症状例

  • 自分の話を避ける
  • 強い劣等感をもっている
  • 非難が怖く、責任の問われる地位を避ける
  • 相手の何気ない仕草や言葉、言動に過剰反応する
  • 些細な指摘・批判に傷つきやすく、人との交流を避ける

有病率

2001年頃に行われたアメリカの調査では、推定2.4%割合で発症、または有病しているとされます。

 

9. 強迫性パーソナリティ障害とは

強迫性パーソナリティ障害とは、規則・秩序・ルールといったものに対して細部までこだわるため、完璧主義であり「自身で物事をコントロールしている状態」を必要とするので、柔軟性や効率性が欠如しやすく、また他者からの助力・援助を信頼できないタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:物事では細かい部分やまでこだわってしまったり、自分のやり方や特定の方法で行うため、期限に間に合わなくなってしまったりしやすく、人との仕事も苦手な傾向・事例があります。

症状例

  • 誰かに頼み事を任せられない
  • 部屋の隅々まで掃除し続ける
  • いらない物を捨てることができない
  • 自分のやり方を徹底しており、相手にも強要する
  • スポーツのようにルールや形式(範囲)のある活動を好む
  • 休憩の時間が無駄・もったいないと感じたり、リラックスできない

有病率

全体人口で、推定2.1〜7.9%の割合で発症、または有病しているとされます。

 

10. 依存性パーソナリティ障害とは

依存性パーソナリティ障害とは、自身の「心・生活・行動」における自立が欠如してるため、重要な部分からそうでない部分までの選択や決断といった援助や世話の必要性・欲求が強くなり、他者に対して服従的・従属的な行動や、依存・面倒を要求しやすくなるタイプ・特性のパーソナリティ障害です。

例:物事において自分で決めるようなことであったり、細か部分などの選択に関しても誰かに決めてもらおうとするため、支配欲の強い人の言いなりになりやすく被害にあうといった傾向・事例があります。

症状例

  • 依存する相手に対して反対意見を言えない
  • 自分にとって損である条件をのんでしまいやすい
  • 身の回りの世話からその日着る服などを決めてもらおうとする
  • 自分で選択をしたり何かを計画することは困難だが、命令や指示には的確に動ける

有病率

2001年頃に行われたアメリカの調査では、推定0.49%の割合で発症、または有病しているとされます。

 

 

 

パーソナリティ障害になる原因は?

結論:遺伝や生まれもつ気質が原因だと考えられている。

 

~ その他の要因・可能性 ~

  1. パーソナリティの形成・育ち
  2. 遺伝的要因・生まれもった気質
  3. 親・家族の影響や関係性による外的要因

パーソナリティ障害は、遺伝や生まれもつ気質が原因だと考えられています。

ですが、それだけではない可能性も否定できないため「そもそも、パーソナリティはどのようにして育まれていくのか?」を理解したのち、「遺伝と環境による2つ影響が、どのように作用するのか?」ということについてみていきましょう。

 

パーソナリティの形成・育ち

パーソナリティは、遺伝などの生まれもった「気質」と環境などの「外的要因」の両者が相互作用することによって、育まれ形成されていくと考えられています。

例えば、遺伝による生まれもった気質では「両親の影響」を受けやすく、環境による外的要因では「家族・地域の人々の影響」を受けやすくなります。

またこれらは、両者が「相互に影響し働きかけること」によって、各々、独自のパーソナリティが形成されていくと考えられています。

では、遺伝や生まれもつ気質、環境や外的要因とは、一体なんなのでしょうか。

この2つを説明するにあたって諸説ありますが、ここでは「パーソナリティ理論」というものを用いて解説していきます。

パーソナリティ理論とは?

パーソナリティ理論とは、精神医学者のクロニンジャー氏が提唱した「パーソナリティを形成する7つの因子」を表す理論で、人のパーソナリティは「遺伝による4つの気質因子」と「環境による3つの性格因子」があり、それぞれ互いに働きかけることによって形成されていくというものです。

 

 

遺伝的要因・生まれもった気質

遺伝による4つの気質因子

 

  1. 新奇追求:興味・関心への意欲
  2. 損害回避:危機回避への意欲
  3. 報酬依存:承認などへの欲
  4. 固執:拘り・しぶとさ

上記4つの「気質因子(遺伝)」は、親と子・兄弟であっても「全く違うもの」を持ち合わせていることがあり、変えることや修正することは、ほぼ不可能だと考えて良いでしょう。

また、これら4つの因子は、神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン、など)による働き方が、各々、違うことで起きる現象だと考えられています。

例えば、セロトニンの分泌量の度合いでは「不安や恐怖心の感じ方の違い」にあらわれており、ドーパミンは「衝動性や感情の起き方の違い」にあらわれており、ノルアドレナリンは「報酬への欲(他者に与えて、自身が貰うこと)」にあらわれるといったように、それぞれの神経伝達物質の分泌量が遺伝(すなわち生まれ持つ気質)として関連していると考えられています。

下記からは、気質について具体例を用いてわかりやすく解説していきます。

 

【具体例】遺伝・気質によるパーソナリティ形成

パーソナリティは、遺伝的に生まれもっているもの・決定しているものがあると考えられていいます。

例えば、神経伝達物質のうち「セロトニンの脳内分泌量による遺伝的な影響」によると、人はセロトニンの分泌量が少ないほど「不安を感じやすい」ということが研究で明らかになっているため、そういった人ほど悩みやすくなったり、不安障害などを引き起こしやすくなると考えられています。

また、こうしたものは「元々の体の仕組み(生まれもつ性質)」であるため変えることができませんし、周りの働きかけによって「元々の部分(不安の耐性)にどう影響するか?」ということでパーソナリティも変化してくる(つまり生かすも殺すも環境次第になる)わけです。

このように、4つの因子(元々の気質)が大きな要因となってパーソナリティの大部分として現れることもあるわけなんです。

また、他の例では「発達障害もその1つ」といえるでしょう。発達障害とは「生まれもつ脳の特性が大半の人と異なるため、社会との障害(生活やコミュニケーションが困難になる)というもの」です。

具体的には「自閉スペクトラム症・注意欠如、多動症(ADHD)・学習障害(LD)・チック症・吃音」といったものがあります。

例えば「自閉スペクトラム症」の場合、コミュニケーションのあらゆる場面において言葉や表情・ジェスチャーなどの様々な要素・やり取りが欠如していたり、特定のものへの強い興味・関心やこだわり、物事への敏感性をもっているといった特徴があります。

そのため「自閉スペクトラム症」であると、マイナーなものへの強い興味・関心による孤立であったり、敏感性の強さによって他者の言動に振り回されてしまったりなどが生じてしまい、気質上の問題によりコミュニケーションが困難となってしまう可能性も高くなります。

ですから、このような2つ(遺伝の因子・発達障害)の遺伝に関する様々な視点からみても「パーソナリティに影響している説は濃厚である」といえるでしょう。

 

 

親・家族の影響や関係性による外的要因

環境による3つの性格因子

 

  1. 自己志向:自尊心・責任感の認識
  2. 協調性:共感性・他者への思いやり
  3. 自己超越性:自身と宇宙・世界との繋がりの解釈

上記3つの因子は、人の発達における様々な段階で「両親や家族・身内や地域との関係性から受ける影響」によって、それぞれ異なる育まれ方をした結果、それぞれのパーソナリティが形成されていくるというものです。

下記では、環境が「どのように人のパーソナリティへ影響を与えているのか?」について具体例を用いて解説していきます。

 

【具体例】外的要因によるパーソナリティ形成

パーソナリティの基礎となる部分は、生まれてすぐの「赤ちゃん」の頃から影響を受け、形成されていくものだと考えられています。

そのため、まず最も重要的で大きく影響をあたえる存在が「両親(父・母)のいずれか」になります。

例えば、生まれたばかりの赤ちゃん(0歳〜1歳半)は、気持ちや感情を伝えたり話すことはできません。

ですから、周囲の人間がそれを読み取ってあげることや欲求を満たしてあげることで「安心感」や「自己肯定感」や「信頼感」といった基本的信頼感がもてるようになっていきます。

逆に、周囲からのケア(世話・抱っこ)やコミュニケーション(欲求を満たす行為など)が欠如していると、成長するにつれて自分と他者に対する「不信感」が生まれたり「自信」が少なくなる傾向にあります。

また、生まれてしばらくの赤ちゃん(1歳半〜4歳頃)に至ると、自分の意思での行動(よちよち歩き)が可能となるため、親元から少し離れて冒険するようになります。

この時、危険や恐怖といった「不安」を感じた赤ちゃんは、すぐに親の元へ戻っていくわけですが、その際に「親からのケア(安全基地の役割など)」を受けることで「離れて冒険をしても大丈夫」といったような安心感を覚えるようになっていきます。

しかし、そういったケアを十分に受けることなく育った赤ちゃんは、恐怖心というものを抱えたまま成長していくため、対人関係においてメンタルの弱さが現れたりなど、恐怖に対する耐性が欠如していったり、大人になっても不安のようなものが残っていくわけです。

このように人間は、どのようなケアを受けて育つかで、パーソナリティに大きな違いが生じる生き物なのです。

 

【まとめ】パーソナリティ障害になる原因

現在「パーソナリティ障害」は、遺伝や生まれもつ気質が原因だと考えられています。

とはいえ、このようにパーソナリティというものは「元々の気質と環境の両者が働きかけることによって、各々が独自のものを形成していく」とされています。

そのため「パーソナリティ障害」は、各々異なる気質もち、外的環境によって形成されたことで起こりうる可能性がある(原因)ということも考慮すべきであると言えるでしょう。

 

 

 

パーソナリティ障害における診断方法は?

パーソナリティ障害の診断方法は、身体疾患(病気からくる精神への影響)・その他の精神疾患を除いたうえで、DSM-5(基準)をもとに一定の期間内で「本人との面談および、家族・身内・近しい人への質問・調査」をおこなったのち、その人の特性(パーソナリティ障害であるか否か?・どの種類のタイプであるか?)を見極めていきます。

パーソナリティ障害の診断といっても、その他の精神障害や様々な可能性も含めて考えます。

下記からは、診断基準となる「DSM-5とは何か?」について、わかりやすく解説していきます。

 

DSM-5 とは【22分類一覧】

DSM-5(ディー・エス・エム・ファイブ)とは、米国精神医学会が「精神障害・精神疾患」を各種分類化したマニュアルをさします。正式名書は「Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」と呼ばれるもので、頭文字をとって略されたものがDSM-5です。日本語では「精神疾患の診断・統計マニュアル」と呼ばれており、数字の5は、第5版という意味となっています。つまり、これまでは1〜4までの改良を重ねてきた歴史があり、さらに今後の研究が進むにつれて6、7・・・と改良されていくことも十分にあると考えられるわけです。

このように、DSM-5は「精神障害・疾患を分類化したマニュアル」です。

またパーソナリティ障害の診断をする際にも、DSM-5を基準に「どの分類・特性を持つか?」を判断していきます。

 

<DSM-5> 22分類【一覧】
  1. 神経発達症群/神経発達障害群(通称:発達障害)
    • 知的能力障害群(知的障害)
    • コミュニケーション障害群自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)
    • 多動症/注意欠如(ADHD)
    • 限局性学習症/限局性学習障害(LD)
    • 運動症群/運動障害群(発達性協調運動障害、チックなど)
    • 他の神経発達症群/他の神経発達障害群
  2. 統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群
    • 緊張病症候群
    • 妄想性障害群
  3. 双極性障害
    • 双極性障害1型
    • 双極性障害2型
    • 気分循環性障害
  4. 抑うつ障害群
    • うつ病
    • 持続性抑うつ障害/気分変調症
    • 月経前不快気分障害
  5. 不安症群
    • 分離不安症
    • 選択性緘黙
    • 限局性恐怖
    • 社交不安症
    • パニック症
    • 広場恐怖症
    • 全般性不安症
  6. 強迫症
    • 強迫症
    • ためこみ症
    • 抜毛症
  7. 心的外傷(PTSD)およびストレス因関連障害群
    • 反応性愛着障害
    • PTSD
    • ASD
    • 適応障害
  8. 解離症群
    • 解離性同一症
    • 解離性健忘
    • 離人感/現実感消失症
  9. 身体症状症
    • 身体症状症
    • 病気不安症
    • 変換症
  10. 食行動障害
    • 移植症
    • 神経性やせ症
    • 神経性過食症
  11. 排泄症群
  12. 睡眠-覚醒障害群
    • 不眠
    • 過眠
    • ナルコレプシー
    • 睡眠時無呼吸
    • 概日リズム障害-覚醒障害群
    • レム睡眠行動障害
    • レストレスレッグス症候群
  13. 性機能不全群
  14. 性別違和
  15. 秩序破壊的 障害制御 素行症群
  16. 物質関連障害および嗜癖性障害群
    • アルコール カフェイン 大麻 タバコなど
  17. 神経認知障害群
    • せん妄
    • 認知症
  18. パーソナリティ障害群
    • A群
    • B群
    • C群
    • その他
  19. パラフィリア
    • 窃視
    • 露出
    • 性的マゾヒズム サディズム
    • フェティシズム
    • 異性装障害
  20. 他の精神疾患群
  21. 医薬品誘発性運動症群および他の医薬品有害作用
    • パーキンソニズム ジストニア アカシジア ジスキネジア
  22. 臨床的関与の対象となることのある他の状態
    • 養育 虐待 ネグレクト 教育 職業 住居 経済 犯罪 よく外来受診されるものからあまりないものまで様々です。

具体的な内容は、書籍にしてもかなりの量を要するため、ここではカテゴリーに分類される22種類の紹介のみをしています。

 

 

 

パーソナリティ障害の治療方法は?

  1. 薬療法
  2. 精神療法
  3. 認知行動療法
  4. 支持的精神療法
  5. 精神分析的精神療法

パーソナリティ障害の治療として、おもに上記5つの方法、もしくはいずれかで行われています。

 

1. 薬療法

  • 抗うつ剤
  • 抗不安剤
  • 抗精神病薬
  • 気分安定剤

薬療法では、おもに上記4つの薬を使って治療をおこないますが、これらは専門家である医師の適切な判断・管理のもと処方するか決定されます。そのため、市販で購入することもできないので、薬の使用には精神科や心療内科での診断が必要となります。

のり

適切な知識なしに薬を使用してしまうと、症状悪化の原因・あらゆる危険性が伴うので、医師も慎重になる必要があるんですね。

また当サイトでは、ストレスや不安の緩和が期待できる自然の成分「CBD」について解説しています。

どうしても薬の服用が嫌、医師の診断や面倒を避けたい、という方は参考にしてみてください。


※CBDは、治療を促す成分ではありません。あくまで、気休め程度に使用できるとお考えください。

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2. 精神療法

~ 精神療法の主な流れ ~

 

  1. カウンセリング
  2. 薬が必要か判断し、医師と相談
  3. カウンセリング可能な状態を目指す
  4. 可能であればカウンセリングを行う

 

カウンセリングとは

カウンセリングとは、医師やカウンセラーが患者の心の悩みを聞き「相談・助言・援助・指導・アドバイス・話をまとめる」等をおこなう行為をさします。また、カウンセリグ(精神療法)といっても幅広い意味を持つ言葉でもあるため、様々な種類・方法が存在します。

精神療法では、おもに臨床心理士によるカウンセリングでの様々なアプローチを行い、必要な場合(合併症やその他の重い症状がある時など)は薬の必要性を医師に伝えながら適切に治療を進めていきます

そのため、精神療法は順番としてはまず先に行われ、またクライアント(患者)によって症状が全く異なるので、カウンセリングの進め方を模索しながらアプローチをしています。

カウンセリングの流れ、主に行われること
STEP
傾聴:言語・非言語を聞きながら理解する
STEP
受容:話す内容を受け入れ、伝える表現を行う
STEP
支持:話す内容を聞き、肯定しながら会話を進める
STEP
明確化:患者が気づいていない問題を言語化する
STEP
1〜4を繰り返す:会話を通して繰り返し行なっていく

カウンセリングの流れは、クライアント(患者)によっても異なるので、1から4へすぐに移行することもあれば、順を追って行われることもあります。

また精神療法(カウンセリグ)といっても多岐に渡り、治療法として近しいものから共通するものまで、様々な方法(アプローチの仕方・やり方)が存在します。

その主な種類となるのが「3・4・5(見出し)」の項目であり、下記からはそれぞれの概要について解説していきます。

 

 

3. 認知行動療法

認知療法行動(認知療法)とは、認知(捉え方・解釈・考え方)にアプローチ(働きかけ)をして、クライアントの気持ちを楽にしたり行動の変化をうながす治療法(精神療法)の一種です。

認知行動療法の主な流れ
  1. 患者に問題の確認・認識をしてもらい整理する
  2. 患者に起きている問題のメカニズムを心理的に教育する
  3. 自動思考(反射的な解釈)が感情や言動にどう作用するか探求する
  4. 患者の自動思考(反射的な解釈)の癖やパターンに気づいてもらう
  5. 自動思考(反射的な解釈)の癖が、社会や一般人とのズレがあることを認識してもらう
  6. 自動思考(反射的な解釈)の癖のズレを社会・一般人へ近いところへ移行するための練習を行う
  7. 問題そのものの改善方法・人間関係を良好にするための方法を模索し練習する

 

4. 支持的精神療法

支持的精神療法とは、カウンセラー(治療者)がクライアント(患者)に対して、心に寄り添ったりアドバイスをしながら問題解決をうながす治療法(精神療法)の一種です。また支持的精神療法では、あくまでアドバイスや悩みを聞いて寄り添い励ますものものであり、解決策を教えたりすることはありません。自身の力で解決できるよう支援するものです。

 

5. 精神分析的精神療法

精神分析的精神療法とは、フロイトが創始した精神分析の考えに基づいた治療法(精神療法)の一種です。また精神的分析精神療法では、クライアント(患者)の悩みや心に思い浮かぶことを話してもらい、カウンセラーがその内容を受け止め、支援し励ましながら問題を意識化することで、クライアント自身が問題を認知し改善をはかる(考えていく)ことを目指す治療法(精神療法)です。

 

 

 

まとめ

パーソナリティ障害とは、大半の人(一般人)とは異なる捉え方や感情を持ってしまい、結果的にとる行動パターン(人柄・性格など)が対人関係や社会活動において障害となるものです。

 

のり

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。

 

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