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成果バイアス|結果に執着して物事を評価する危険な心理とは?具体例を用いて解説。

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成果バイアスとは、物事の結果に対して、起こる前の出来事は無視し、結果のみを判断してしまう心理のことです。

本記事では、そんな成果バイアスについての意味や「日常のどんな場面で生じやすいのか?」といった具体例、特徴や危険性などについて解説していきます。

 

Contents

成果バイアスとは

成果バイアスとは、起こった出来事(結果)に対して、過程(プロセス)は評価せず、結果のみを注目し評価してしまい、論理的であったり、倫理や道徳的な「考え・解釈・思い込み」に陥る認知バイアスの一種です。

例:SNSでの発言(一部の結果だけ)を見てしまい、それまでのプロセスは無視した反論が膨れ上がり論争などに発展することに該当する。

物事の結果は、あらゆる要因が複雑に絡みあったり、関与することによって引き起こされます。一方で、人間という生き物は「物事の結果のみを評価する傾向にあり、それ以外の過程的要因は意図せず無視してしまいやすいもの」です。

そのため、結果だけを見て「無意識に過程や要因を想像」してしまい、その先入観にとらわれやすくなります。

また、公の場では綺麗に語られることも多いですが、現実は「結果主義」ということは誰もが感じているでしょう。ですから「成果バイアス」はその誰もがもつ無意識の結果主義のような状態が「過度になってしまうもの」だとも言えます。

現実は「結果主義」とは

よくある例として「優しい人がモテない」というものがあります。良かれと思って、優しさや気遣いのあるコミュニケーションを取っても、魅力が感じられなければ相手からの評価は落とされてしまいますよね。一方で、どんなに悪どいことや利己的思想で行動したとしても、結果的に魅力が感じられるとモテてしまうのが現実です。この事実こそが、結果主義のわかりやすい例です。人間関係において、評価する側は「どう思い、どう感じるか?・どう見えて、どう捉えるか?」という部分でしか物事を理解できないため、そこまでのプロセスや人間性、考え方や背景などは無視されてしまうのです。ゆえに、理想や綺麗事で隠された背景にある世の中は「あらゆる物事において、結果主義で評価されている」といえるわけでなんですね。ですから、それが過度になってしまうことで必然的に「結果だけに執着してしまう成果バイアス」という現象も起きるわけです。

 

成果バイアスの特徴は?

成果バイアスは、物事で良い結果がでたときより、悪い結果がでたときのほうが生じやすいという特徴があります。

そのため、成果バイアスが生じる状況の多くは、議論や論争であることがほとんどです。

成果バイアスに陥りやすい人は?

論理的思考が強い人は、成果バイアスに陥りやすくなります。(注意:論理的思考が「できる人・する人」ではなく、どんな物事においても論理思考が強い傾向にある人に当てはまることです)

そもそも、なぜ論理的思考が強くなってしまうのでしょうか。

それは、相手の現状やその中で生じる感情・気持ちなどの目に見えない部分であったり、表に現れないような様々なところを想像し理解する力(コミュニケーション能力)が欠如しているからだと考えられます。

具体的には、会話をしながら相手の発言や行動の背景にある部分を感じたり、察知して理解するといったような「抽象的なことを感覚的に理解すること」などです。

そのため、こういった部分を勉強などで補おうとした結果、理論的で複雑性のない思考の偏りが強まってしまい、物事の結果を理論の型に当てはめて理解を得ようとします。

ですが、科学などの強い根拠があるものは、あくまで学問上の話であるため、条件下や背景も決まっており、不合理な人間の行動に当てはめることは非常に困難です。

ですから、論理的思考が強い人は「人間と理論に違いが生じたとしても、コミュニケーション能力ではどうにもできないため、さらに理論でカバーしようとすることで、より強く結果に執着してしまう」というわけです。

これが「論理的思考が強い人が、成果バイアスに陥りやすい理由」なんですね。

 

成果バイアスと似た心理とは?

成果バイアスとよく似た心理に「後知恵バイアス」というものがあります。これも認知バイアスの一種ですが、成果バイアスとは明確な違いがあります。

後知恵バイアスとは

後知恵バイアスとは、出来事が生じたさいに「これは予測できた・わかっていた」と思い込む認知バイアスの一種です。

例えば、仕事でミスをしてしまった部下に対して、上司が「お前は絶対こうなると思っていたんだよ」などと、事前にわかっていたかのような口ぶりで指摘することに当てはまります。

このように「結果が生じてから指摘するといった言動」をしたり、自分はわかっていて予測できたと先入観をもっている状態を『後知恵バイアス』といいます。

実際、わかっていたことであれば何かしらのアプローチや対策が可能だったと考えられることから、それらを一切せず後の言動に現れることから、単なる思い込みの範囲に過ぎない、もしくはそう評価されても仕方ないことだといえます。

いずれにせよ、後知恵バイアスか否か?は本人にしかわかりませんし、聞いたところで嘘をつく可能性もあるため、上記例のような状態の大半を、心理学では「後知恵バイアスである」とされています。

成果バイアスは「過程を無視して、物事の結果のみを評価してしまう心理」なのに対して、後知恵バイアスは「出来事が起こったさい、その出来事は『予測できた・わかっていた』と思い込む心理」という違いがあります。

両者は、結果に対して注目する部分は一致していますが、その後の「行動・発言・思い込み」などに大きな違いがあるため、明確に区別できます。

後知恵バイアスとの違い
  • 成果バイアス:過程を無視し、結果のみを評価する
  • 後知恵バイアス:結果に対して、予測できていたと思い込む

後知恵バイアスとは|Norilog

 

 

 

成果バイアスの具体例

成果バイアスは、意識すると日常でもよく見受けられますが、現代において誰もが見たり経験したことのあるものだと「SNSの炎上」がわかりやすい具体例だと言えるでしょう。

SNSの炎上

SNSでは、日々あらゆるところで、あらゆる内容の議論や論争が巻き起こっています。またその中には、成果バイアスによって引き起こされたものも多く存在すると感じられます。

例えば、勘違いから膨れ上がってしまう炎上などがわかりやすい例でしょう。炎上後に、炎上前の発信(経緯)を見てみると、炎上のきっかけとなった発言は大したことじゃない場合も少なくありません。

しかし、その一部始終のみを見てしまったユーザーは、その発言までの過程を考えなかったり、指摘されても軽視してしまい、後戻りできなくなってしまうケースも見受けられます。

このように、炎上や議論・論争の背景には、成果バイアスという思い込みだけで膨れ上がってしまうことも多くあるのです。

 

 

 

成果バイアスの危険性

成果バイアスは、適度に少し生じるくらいであれば問題ありませんし、誰しも陥ってしまうことはあります。ですが、過度になってしまうことでデメリットとなり、危険性としても大きくなってしまいます。

それは特徴からもわかるように、成果バイアスは「良い結果より悪い結果に対して働きやすいため、必然的に落ち込んでいる人が対象になりトラブルへ発展しやすいこと」があげられます。

またもう1つは、結果に過度に注目してしまうことで「人間の性質(感情)を無視し、論理や倫理など理屈に偏ってしまうバイアスだから」ということもあげられます。

コミュニケーションにおいて「物事の結果を評価するさい」には、人間の特性を考慮した上で行うべきというのが、暗黙の了解のようなものですよね。

しかし、成果バイアスが行き過ぎてしまうことで理屈の部分しか見えなくなってしまったり、また悪い結果に対しての評価の場合は、よりその意見が他者への攻撃となってしまうため、危険なものへと変化していくでしょう。

ですから、成果バイアスが過度に行き過ぎてしまうことで、危険性を大きくし、強めてしまうことがあるのです。

 

後知恵バイアスよりも危険!

じつは成果バイアス、後知恵バイアスよりもタチが悪く、陥ってしまうことで様々なデメリットとが生じるため「成果バイアスは、後知恵バイアスより危険な心理」だと考えられています。

また、そのなかでも「後知恵バイアスより危険性が高い」と言われる最も大きな理由として、結果のみを取り上げて強調してしまう部分があげられます。

最初の方でも述べた通り、物事の結果は「偶然も含めてあらゆる要因が重なること」で生じます。それに対して、結果のみを強調して物事を評価してしまうと、意図せず起こった出来事であっても結果を評価され続けてしまうからです。

このように結果に執着してしまうことで、それが全てになってしまう状況を作ってしまうため、後知恵バイアスよりもタチが悪く、危険な心理だと考えられているわけです。 

 

 

 

まとめ

成果バイアスとは、物事の結果に対して、起こる前の出来事は無視し、結果のみを判断してしまう心理のことです。

そのため、結果のみを見て物事を判断してしまいそうになったら、その前の情報を収集してみましょう。

のり

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。

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