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知識の呪縛|知ってることで損するの!?知識量が多いことで起こるトラブルとは?意味や具体例、デメリットと対処法について解説。

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知識の呪縛とは、人が他人とコミュニケーションを取るさい、自分の知っていることは他者も知っていると思い込み、知らない状況を想像できなくなる心理傾向

本記事では、「なんで、そんなことも分からないの?」と思い込んでしまう心理について、意味や具体例、関連心理やデメリットを解説していきます。

 

Contents

知識の呪縛とは

知識の呪縛とは、知識量がある人は、そうでない人の知識量を想像できなくなるため、相手のことを過大評価(これくらい知っているだろう)と思い込む心理現象

例:他者とのコミュニケーションで「何かを伝える」という場合、自分が知っていることは相手も知っていると思い込み、知らない気持ちや知識程度、状況などが想像・理解できなくなることに該当する。

知識の呪縛は「認知心理学」における認知バイアス(アンコンシャス・バイアス)の一種で、1989年の政治経済学ジャーナルの研究記事にて「知識の呪い(別名)」と呼ばれたことが初めて用語として使われたとされており、その後、1990年にスタンフォード大学の大学院生であるエリザベス・ニュートン(Elizabeth Newton)氏によって行われた実験結果から、詳細が明らかになったと考えられています。

このように、自分が知っていることは相手も知っていると思い込んでしまう現象を「知識の呪縛」と呼びます。

 

「知識の呪縛」の実証実験:Tapper and Listener

スタンフォード大学の大学院生であるエリザベス・ニュートンによる1990年の実験は、単純なタスクの結果における知識の呪いを示した。被験者のグループは、有名な曲を指で「タップ」するように求められ、別のグループはタップされた曲を見つけようとした。 「タッパー」がリスナーによって認識される「タップされた」曲の数を予測するように求められたとき、リスナーは毎回過大に見積もっていた。 「タッパー」はタッピングの内容に精通しているため、リスナーが曲を簡単に認識できると想定しており、知識の呪いが示されている。

引用元:Wikipedia

この実験からわかるように、知識がある人は「そうでない人の知識量」を想像できなくなってしまうため、相手のこと(理解力や知識量)を過大に評価してしまうわけです。

 

 

 

「知識の呪縛」の関連と違い

  1. 偽の合意効果
  2. ダニング=クルーガー効果

 

1. 偽の合意効果

偽の合意効果とは、自分の意見や考えは多数派であり、これが当たり前(正常)であると思い込む心理現象

知識の呪縛との違いは、「世間一般の常識と比較する傾向であるか否か?」という点です。

偽の合意効果では、「世間(大半の人)と自分は似たような者であるため、多数の人が考え行動することと同じ、または近しい」と思い込む反面、知識の呪縛では、「知識量の多い人は、そうでない人の知識程度が想像できなくなったり、その人も知ってる・理解できている」と思い込むものです。

そのため、「世間一般と同じ様である」と思い込むのが偽の合意効果で、「知識量の少ない人のことを理解できなくなる」と思い込むのが知識の呪縛といった違いがあります。

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2. ダニング=クルーガー効果

ダニング=クルーガー効果とは、能力が低い人や知識が少ない人ほど、自分を課題に評価する心理現象

知識の呪縛との違いは、「自分を過大に評価するか、相手を高く見積もるか?」という点です。

ダニング=クルーガー効果では、「能力や知識が少ない人ほど、自分はすごい!」と思い込みやすくなる反面、知識の呪縛では、「知識量が多い人ほど、相手もこれくらい知っているだろう」と思い込みやすくなるものです。

そのため、「自分を過大評価する」というのがダニング=クルーガー効果で、「相手を過大評価する」のが知識の呪縛という違いにあります。

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のり

関連する心理からもわかるように、人は相手の頭の中を想像することが苦手な生き物なんですね

 

 

 

知識の呪縛の”デメリット”と”具体例”

  1. 教育といった教える立場の難しさ
  2. YouTube・SNSなどでのコメント
  3. 年齢差がある人との会話(ジェネレーションギャップなど)

知識は多ければ多いほど「良い!」と感じる方は少なくないでしょう。しかし、知っているがゆえにデメリットが生じてしまい、コミュニケーションが困難となってしまうこともあります。ここでは、そのようなデメリットが何か?について具体例を用いて解説していきます。

 

1. 教育といった教える立場の難しさ

学校の先生や教師といった、教育に関わる人の「教える立場の難しさ」というものも、この知識の呪縛が大きく関わってきます。言うまでもなく、教える立場にある人は「教わる立場にある人より沢山の知識を有している」ということがほとんどなため、相手の知識程度をうまく測りにくくなります

その結果、自分が理解している内容の表面ぐらいなら「相手も分かるだろう」あるいは「簡単に理解できるだろう」と思い込みやすくなり、その状態のまま指導を行うことも増えるわけです。ゆえに、わかりづらい授業となってしまい、様々なデメリットへ繋がります。

このように、知識が多すぎるがゆえに「知識の呪縛」に陥ってしまうことで様々なデメリットとかし、時には何らかのトラブルの原因となってしまう事もあります。ですから、常に「相手が知らないかもしれない」という程で、コミュニケーションをとることが大切です。

 

2. YouTube・SNSなどでのコメント

YouTubeなどを見ていると、よくコメント欄に「知ってるよ・この説明しなくて良くない?・いつも同じこと言ってるよ」という様な内容を見かけることがあります。

確かに、いつも見ている人なら「その知識と理解」があるため、上記のように思うのも仕方ありません。しかし、動画配信者としては「今回の動画が初めての視聴である人」ということを配慮した上での説明だったりします。

また、そういった「視聴が初めての人」というのは、すぐに理解できるわけでもなければ、そのまま話を続けられてしまうと、動画に理解が追いつかずに離脱してしまうわけです。

そのため配信者は、まいかい「初めての視聴者」に配慮した動画を作成するわけですが、そうでない視聴者は「自分も初めの頃はそうだった」ということは忘れてしまい、「誰でも分かるでしょ」と思い込んでしまうわけです。

このようにYouTubeやSNSでは、いちど知識が備わってしまうことで「初心者(初めて動画を視聴する人)の知識程度が想像できなくなってしまう」ため、「この説明いらなくない?」という思い込みが閲覧側には生まれやすくなります。

 

3. 年齢差がある人との会話(ジェネレーションギャップなど)

年齢差がある人との会話では、どちらかが「言葉のニュアンスや知らない単語」を乱用してしまいやすくなります。

また、このとき乱用している側は「その言葉の意味を知らない相手を想像できない状況」に陥っているのです。

そのため、最近の若者は「流行り言葉を使いがちだな・歳上は方言混じりでわかりづらい」といったギャップが、年齢差のある人との会話では生まれやすくなります。

このように、自分が当たり前に知っている言葉だから「この人も知っているだろう」と無意識に思い込む(相手を想像できなくなる)ことで知識の呪縛に陥ってしまい、トラブルの原因やデメリットとになることがあります。

 

 

 

知識の呪縛「改善・対策」方法は?

知識の呪縛:改善方法
  • メタ認知を鍛える
知識の呪縛:対策方法
  1. 相手を観察する
  2. 具体例を使って説明する
  3. ペルソナを設定してアプローチする

ここでは、知識の呪縛の「改善」および「対策」方法について、計4つをご紹介します。

 

改善方法

・メタ認知を鍛える

メタ認知とは、「自分の認知状態を認知する」という意味で、要約すると「自分を客観視する能力」という意味の言葉です。

このメタ認知能力を鍛えることで、自分と相手の会話などを客観視できるようになったり「自分はこれを知っているが、相手は知らなかもしれない」という予測が可能になるため、知識の呪縛に陥りにくくなります

そのため、つね日頃「メタ認知ができる状態になっている」というところまで鍛えることができると、高い確率で「知識の呪縛に陥らない状態」まで改善できるでしょう。

また、その(メタ認知を鍛える)方法として「家や部屋などの良くいる空間に鏡を置く方法」がオススメです。なぜなら、鏡を置くことで自分自身を客観的に見れるようになり、それが次第に潜在意識(無意識)となって、日常生活でも自分を鏡越しのように見やすくなるからです。

その結果、メタ認知が上達するため、知識の呪縛の改善にも効果的となります。

 

対策方法

1. 相手を観察する

関わるひとり1人の相手に対して、話すときや普段の言動を観察することが対策として効果的です。

これは「改善方法」とも通づる話ですが、自分を客観視する=観察することであり、自分と他者を比較するという意味でもあります。

ですから、相手の言動を観察することによって「その人の知識程度を図ること」が可能となるので、知識の呪縛の対策になるわけです。

 

2. 具体例を使って説明する

すこし強引な話ですが、たとえ知識の呪縛に陥ってしまっても、説明して理解させちゃえば問題ありません。ですから、万が一、知識の呪縛に陥ってしまったときは「具体例」を使ってみることが対策として効果的です

具体例を使う理由は、相手の知っている知識で別の物事について説明できるからです。そのため、相手が知っている情報を説明したい内容に置き換えるだけで、その人の理解は深まり納得してくれます。

また、この理由からもわかる通り、具体例を用いて説明するさいは「相手が知っている内容・言葉」を使用しましょう。この2つの要点が押さえられていない具体例では、相手に何度説明しても伝わらず、理解してもらえなくなるので注意する必要があります。

このように、「具体例を使用する・相手の知っている知識で話す」という2つの要点を押さえて説明すれば、知識の呪縛に陥った後でも理解はしてもらえるので対策が可能となります。

 

3. ペルソナを設定してアプローチする

ペルソナとは、マーケティング用語の1つで、ユーザー(お客さん)を具体的にイメージするという意味で、例えば「年齢・性別・性格・趣味・価値観・お仕事・住まい(場所)・家族構成」などなど、事細かく設定することをさします※ターゲットとは異なります。

マーケティングのように、相手に対してペルソナ設定をすることで「この人は、自分の話していることを知らない可能性がある」とイメージできるようになります。その結果、その人に対して適切なアプローチが可能となるため、知識の呪縛の対策になるでしょう。

またペルソナ設定と言っても、マーケティングのようにやる必要はありません。状況によっては、咄嗟に考えなければいけないこともあるでしょうし、ひとり1人にそこまでする労力や時間を使うのは大変でもあるからです。

そのため、「ペルソナ設定のイメージを一部分のみに当てて考える」ということをやってみましょう。つまり、話の内容やその人の状態から分かる「ある程度の私生活」を設定して、うまくアプローチするわけです。

こうすることによって、知識の呪縛が生じたとしても咄嗟に対応しやすくなるので、対策方法としても役に立ちます。

 

 

 

まとめ

知識の呪縛とは、知識量の多い人はそうでない人のことを想像できなくなる心理現象

そのため、日頃の私生活では「メタ認知・観察・具体例・ペルソナ」を意識してみると良いでしょう。

のり

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。

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