ハロー効果とは、その人の印象や特徴から、それ以外の評価も歪められてしまう心理傾向のことをいいます。
本記事では、ハロー効果の意味や原因、似た心理との違いについて解説します。
ハロー効果とは
ハロー効果とは、人間があるものを評価するさい、そのものの目立つ特徴に影響され、別のことにおいても(目立つ特徴と)同様の評価をする心理現象。
例:「清潔感のある人」を見たとき、多くのばあい「家も片付いてて、きっちりしていそう」「仕事ができそう」といった様々な要因においても、そのイメージと同様の評価をすること。
このように、一部分の目立つ特徴などから、その他の評価も同じようにしてしまう心理を、ハロー効果といいます。
ハロー効果は、アメリカの心理学者および教育学者であるエドワード・ソーンダイク氏が、1920年に発表した論文(A Constant Error in Psychological Ratings)が起源だとされている「認知心理学」や「社会心理学」における用語で認知バイアス(アンコンシャス・バイアス)の一種です。
ハロー効果の由来
ハロー効果の由来は「ハロー=後光(後ろからさす光)」からきており、目立つ特徴=後からの光によって、全体も光のように見えてしまい、評価が歪められることを意味しています。
画像のように、太陽(目立つ特徴)が強く光るとその人自身も輝いて見えるように、そのものの目立つ特徴(後光)によって、全体も同様に見えることがハロー効果の由来となったわけです。
ハロー効果の原因
ハロー効果が起きるのは、原始的な時代には物事を即断することが生存に有利であり、それが遺伝的に受け継がれているためと考えられている。
引用:ハロー効果 – Wikipedia(ウィキペディア)
つまり「生きたい」「死にたくない」という欲が本能としてあり、そのためにはあらゆる物事を即断することが有利になるため、ハロー効果が働くと考えられているわけです。
また「欲からくるバイアスの原因」は、コチラの記事で解説しています。
ネガティブハロー効果・ポジティブハロー効果とは?
ハロー効果には「ネガティブハロー効果」と「ポジティブハロー効果」の2種類があります。ここでは、それぞれの意味や具体例について解説します。
ネガティブハロー効果
ネガティブハロー効果は、人間があるものを評価するさい、目立つネガティブな特徴に大きく影響を受け、その他のこともネガティブな評価になる心理現象で、要するに、ハロー効果がネガティブ傾向に働くときに使われる用語になります。
例えば、先程とは逆に「清潔感のない見た目の人」がいたとします。このとき、多くの人は「オタクかな」「働いてないだろうな」など、見た目の印象から評価してしまうでしょう。
このように、ネガティブな見た目の印象どおり「その他の評価もネガティブになること」をネガティブハロー効果といいます。
ポジティブハロー効果とは
ポジティブハロ効果とは、人間があるものを評価するさい、目立つポジティブな特徴に影響され、その他の評価もポジティブな印象をもつ心理現象で、要するに、ハロー効果がポジティブに働くときに使われる用語になります。
例えば、美男美女に対しては「優しいな、性格も良いに違いない」などと感じたり、思い込んでしまいやすくなるでしょう。このように、良い見た目どおりに「その他の評価もポジティブになる現象」をポジティブハロー効果といいます。
ホーン効果・ピグマリオン効果との違いは?
心理学には、ハロー効果に似た「ホーン効果」「ピグマリオン効果」という理論も存在しています。ここでは、それぞれの違いをみていきましょう。
ホーン効果とは(ハロー効果との違い)
ホーン効果は、別名「逆ハロー効果」「悪魔のツノ効果」と呼ばれていますが、「ネガティブハロー効果」と同様の心理を表しています。
そのため、ネガティブハロー効果の別名という認識で良いでしょう。
ピグマリオン効果とは(ハロー効果との違い)
ピグマリオン効果は、他者からの期待値によって、能力の向上も比例しやすくなる心理現象。それぞれの違いは下記の通り。
- ハロー効果:大きな特徴から、その他の評価も歪められるもの。
- ピグマリオン効果:期待することによって、能力の向上を目指すというもの。
両者とも「無意識に働きかける」という点では同じ心理傾向ですが、ハロー効果は、他者を評価するものであって、ピグマリオン効果は、期待して能力向上を目指すものになります。
したがって、評価するのがハロー効果、期待するのがピグマリオン効果、という違いになります。
まとめ
ハロー効果とは、その人の印象や特徴から、それ以外の評価も歪められてしまう心理傾向のことをいいます。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。