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社会的証明の原理:バンドワゴン効果|絶対いいと思ったのに…なぜ人は間違った選択に至るのか?メカニズムを解説。

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社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは、何らかの選択肢があるとき、新たな選択者は多数の人が選択したものを選びやすくなる心理傾向

本記事では、無意識に多数派になってしまうことで起こる「社会的証明の原理=バンドワゴン効果」について、意味や陥る原因を解説していきます。

 

Contents

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは、人間が「物事における判断・選択」といった何らかの行動を迫られたとき、多数の人の意見や評価(などの支持されているもの)を基準にしたり、同調(同じ行動)を取りやすくなる心理現象

例:ラーメンの行列を見て「きっと美味しいだろう」と、さらに行列ができることなどに該当する。

社会的証明の原理(Social proof:ソーシャル・プルーフ)とは、別名「バンドワゴン効果」としても名が知られており、行動経済学(経済学・社会学・政治学)における用語・用途でよく使用されることがあります。

このように、他者(多数)の行動を見て評価し、行動を起こしやすくなるのが社会的証明の原理(バンドワゴン効果)です。

 

バンドワゴン効果の由来

結論から言うと、バンドワゴン効果という名前はパレードが由来となっています。(※社会的証明の原理は、バンドワゴン効果という名前でも有名です。そのため、ここでは「バンドワゴン効果」という名前の由来について紹介していきます。)

そもそも、バンドワゴンとは「先頭を走る楽隊車」を表しています。また、パレードではバンドワゴンの後続から次々と行列が進行してくるわけです。つまり、この様子を見立てたため「バンドワゴン効果」と名付けられたわけなんですね。

要約
  • バンドワゴンを多数の意見(情報や指示されてるもの)とし
  • 後続から次々とくる行列を、同じ意見や行動をする者たちに例えた

 

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の提唱者

社会的証明の原理(Social proof:ソーシャル・プルーフ)および、バンドワゴン効果の提唱者と言われている方は、諸説あるので次の2人をあげていきます。

まず、もっとも有名な方は「ロバート・B・チャルディーニ(Robert Beno Cialdini)」氏です。この方は、アリゾナ州立大学にて心理学やマーケティングにたずさわっている教授で、1984年に出した『Influence: The Psychology of Persuasion(影響力の武器)』が起源だとされています。

次に、上記の者よりはやく、そして有力だとされている提唱者が「ハーヴェイ・ライベンシュタイン」氏です。彼は、おもに行動経済学(消費者需要理論)を専門とした教授(理論経済学者)で、1950年に発表した論文にてバンドワゴン効果およびスノッブ効果、ウェブレン効果を提唱したとされています。

 

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の実証実験

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)と紐づく実験として最も有名なのが、1956年に社会心理学者であるソロモン・エリオット・アッシュ(Solomon Eliot Asch)氏によって行われた「アッシュの”同調実験”(Asch conformity experiments)というものです。

実験内容

実験は、モスクワの男子大学生グループ8人のうち1人を対象(被験者)にし、残り7人は仕掛け人(サクラ)で行われました。

内容は、『1つの紐を用意し、その紐と同じ長さのモノを3つの異なる紐から選んでもらうというもの。またこの時、先に仕掛け人である7人のうち6人には明らかに違う紐を選択してもらうことで、2番目に回答する被験者は、どのような選択をしやすくなるのだろうか?』を観察する実験です。

結果は、先に仕掛け人が選んだ「明らかに違う紐の長さの意見と同じものを選びやすくなる(同調しやすくなる)ということがわかりました。

 

 

 

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)に関連する心理

実は、心理学における心理効果の中には、関連するものが多く存在します。また、この社会的証明の原理(バンドワゴン効果)にも3つの近しい理論があります。それぞれの違いを理解してない場合、間違った解釈(勘違い)に至るので覚えておくと良いでしょう。

 

スノッブ効果

スノッブ効果とは、他人が持っているものとは違うものが欲しくなる心理現象。例えば、地位や名誉、ブランド品や高級品といった、希少性があるものを有することによって自身の優位性を示したいと思う現象です。

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の場合、大勢の人が持っているもの(意見や考え、立場や物といった同じもの)を欲しがる心理効果に対して、スノッブ効果はその逆のものが欲しくなる心理効果なため、社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは逆の心理効果となります。

 

ウェブレン効果

ウェブレン効果とは、値段が高いものほど価値を感じやすく欲しくなる心理現象。また、所有することにより様々な心理的メリットを感じたいと思うことも該当します。例えば、ブランド品や高級品といった装飾品を欲しがることなどがよくある例です。

スノッブ効果との違い

スノッブ効果との違いは、差別化をしない点です。スノッブ効果の場合、希少性・独自性を持って他人との違いを好み、差別して優位になろうとする心理現象であるのに対して、ウェブレン効果の場合は、高いものに価値を感じて需要が高まるというだけで、差別化・独自性は求めません。そのため両者は、他者と差別し独自性を持とうとするか否かという違いがあります。

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の場合、多くの人の意見に反応し同調しようとする現象ですが、ウェブレン効果の場合は、値段や対価が効果なものほど欲しがる現象であるため「人に同調するか?(社会的証明の原理=バンドワゴン効果)価値に集まるか?(ウェブレン効果)」という重きの違いになります。

 

アンダードック効果

アンダードック効果とは、不利なものを応援したくなる心理現象。例えば、弱い立場や存在には優しくしたくなることなどに該当します。

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の場合、大勢の意見に賛同しやすくなるという現象ですが、アンダードック効果の場合は、権力や立場、存在そのものが弱いものに対して支持が増える現象であるため『「大勢の意見に同情する!」というのが社会的証明の原理(バンドワゴン効果)、「弱いものに対して支持があるまる!」というのがアンダードック効果』といった違いがあります。

 

 

 

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)の原因・メカニズム

  1. 二重過程理論
  2. 不安感による防衛反応
  3. 正しくありたい・事をしたい欲求

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)が生じるのには、上記の3つが原因だとされています。下記では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

1. 二重過程理論

二重過程理論とは、人が選択・行動をするうえで2種類のシステムがあると考えられているものです。1つは「システム1(無意識の過程)」2つめは「システム2(意識的な過程)」とされており、それぞれは選択(思考)の仕方が異なります。また、人が日常的に多く使うのはシステム1(無意識的:咄嗟に思うことなど)で、そうでない場合はシステム2(意識的:考えて調べ、思考することなど)を使用し「選択・行動」をおこないます

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)が生じる原因の1つとして「二重過程理論」があげられます。

なぜなら、人間は考える事を好まない生き物であり、脳もまた、考える事を節約しようとするからです。その結果、日々の行動(選択)は無意識にできる「システム1」を多用することになるので、社会的証明の原理(バンドワゴン効果)が生じやすくなります。

例えば、格安SIMに乗り変えようと思ったとき『多くの人が「使っている商品」は良いものだろう』と感じて、できるだけ身近で多くの人が使っているものを選択することは多いでしょう。このような思考に行き着く理由も「自分で調べ良いものを買う」というシステム2を避けることから始まるものです。

ですから、大多数の意見を信じやすくなって、結果的に「社会的証明の原理(バンドワゴン効果)」に陥るわけです。

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2. 不安感による防衛反応

物事を選択したときに「失敗や損失が発生したら嫌だな」と考えることはありますよね。人は、そういった不安感や「自分を信じれない」という時などにも、多数の人間が支持する行動(選択)に行きつきやすくなります。

例えば「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉がありますよね。このような言葉が生まれたのも、不安や不確実なことを行わなければいないときの動機として使われたり「失敗したのは自分1人だけではない」という安心感や回避目的も含まれるでしょう。

そして、これを心理学的に言い換えれば「社会的証明の原理(バンドワゴン効果)」が生じる原因の1つとして説明できます。このように、人間は自身の心を保つため、もしくは守るためにも「多数の意見」を尊重しやすくなる生き物です。

 

3. 正しくありたい・事をしたい欲求

人間は「自分の行動・選択が正しいモノでありたい」また「間違いたくない」という欲を持つ生き物です。そのため、選択するうえで多数の意見を参考にしたり「多数である=失敗・間違いではない」などと思い込みやすくなります。また、様々なリスク回避に繋がることも要因となるでしょう。

このように、欲求から始まって多数の意見通りに動きやすくなるので、結果「社会的証明の原理(バンドワゴン効果)」が生じやすくなります。

 

 

 

まとめ

社会的証明の原理(バンドワゴン効果)とは、人が物事の選択をおこなうとき、多数の人間に同調しやすくなる心理現象

のり

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。

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