確証バイアスとは、自分にとって都合の良いところだけをみて、そうでない部分・情報を避ける心理傾向。
本記事では、そんな確証バイアスの意味や原因、事例やメリット・デメリットについて解説していきます。
確証バイアスとは

確証バイアスとは、自身が既に持っている仮説を検証(肯定)するために、都合のいい(支持される)情報のみを集め、それ以外の(否定的な)情報・意見は「無視する・避ける・受け入れない」といった行動にでる心理現象です。
例:信じたいもの(血液型占いなど)の仮説に対して、それらを肯定する情報のみを集める反面、別の意見や反対意見といった非肯定的な情報は避けることなどに該当します。
また確証バイアスは、認知バイアス(アンコンシャス・バイアス)の一種で「認知心理学」や「社会心理学」における用語の1つです。
このように、自分にとって都合のいい情報ばかり集めて、それ以外は避けてしまう心理を、確証バイアスといいます。
確証バイアス実験:ウェルソン選択課題(Wason selection task)
確証バイアスを証明するキッカケとなった実験は、1966年にペーター・カスカート・ウェイソン(Peter Cathcart Wason)氏がおこなった「ウェルソン選択課題(Wason selection task)」という理論問題で、内容は下記の通りです。
図のような4枚のカードが示され、「偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である」という仮説を検証するにはどのカードを裏返すべきかと尋ねられたとする。この回答として多いのは「8と赤色」あるいは「8」のカードであるが、これらは十分な仮説の検証に失敗している。この仮説が否定されるのは「表面に偶数が書かれており、かつ、裏面は赤色ではないカード」が存在する場合のみである。したがって赤色を裏返して奇数であったとしても仮説と関係ないが、茶色のカードを裏返して偶数ならば仮説が否定されるため、仮説の検証としては「8と茶色」のカードを裏返すのが正解である。「赤色」を裏返し偶数であるのを確認するのは仮説を支持することのように思えるが、実は仮説の検証には何ら寄与していない。多くの人がこのような問題に誤答するという結果を説明するためのものとして、ウェイソンは確証バイアスを用いた。
引用元:Wikipedia
確証バイアスが起こる原因

- 信じたい結論
- 認知的不協和
- 自分に合う情報
- 自信の強さゆえの誤解
- アイデンティティ保護
確証バイアスが起こる主な原因は、人間がもつ「自分は正しいくありたい」という欲求からくるものです。人間には「自分の意見や考えが正しいものでありたい・知っている情報やデータが間違っていないはずだ、または信じたいものだ」と思う傾向があります。
そのため、信じている情報ばかりに目がいくようになり、そうでないもの・肯定されない情報は避けるようになるのです。しかし、単純にそれだけで確証バイアスの全てを説明できるわけではありません。
なぜ人はそのような偏りを持つのだろうか。原因はいくつもありますが、ここではもっとも重要な5つをみていきましょう。

1. 自分が信じたい結論に向かって考えてしまうから
もっとも有名な原因は、動機づけられた推論です。人は、真実をただ中立に探しているようでいて、実際には「こうであってほしい」「この結論であってほしい」という願望の影響を受けながら考えることがあります。
Kundaの有名な整理でも、動機は推論そのものを直接壊すというより、どの記憶を呼び出すか、どの証拠を重く見るか、どう評価するかを偏らせるとされています。
つまり人は、露骨に嘘をつこうとしているわけではなく、自分にとって都合のよい結論にたどり着きやすい考え方を、無意識に選んでしまう生き物なのです。
誰しも、自分の判断が間違っていたと思いたい人は少ないし、自分の世界観が崩れるのは気持ちのいいことではありません。だからこそ、私たちは事実を見ているつもりで、実は「見たい形の事実」を選んでしまうわけです。
2. 矛盾する情報が不快だから
2つ目の原因は、認知的不協和です。これは、自分の信念・態度・行動のあいだに矛盾が生まれたときに感じる不快感のことです。
たとえば「自分は正しい判断をした」と思っているのに、それを否定する証拠や根拠が出てくると人は強い不快感を覚えて、それを解消するために認知を歪めることがあり、これを認知的不協和とよびます。
また選択的接触の研究では、この不快感を減らすために、反対情報を避け、支持情報を選ぶことが確証バイアスの大きな要因だと説明されてきました。
つまり、多くの人にとって反証は、単なる情報ではなく自分の中の整合性を壊す(否定する)ものとして感じられてしまうのです。
人は真実そのものより、真実によって自分の一貫性が崩れることに耐えにくいのかもしれません。だから私たちは、間違いを修正するより先に、まず心の安定を守ろうとします。
3. 自分に合う情報ばかり選んでしまうから
3つ目は、選択的接触(selective exposure)です。これは、自分の意見や信念に合う情報を選んで見に行き、合わない情報を避ける傾向を指します。
Hartらの大規模メタ分析では、人は平均して既存の態度や信念に合う情報を好む傾向があることが示されました。またその傾向は、防衛動機や確信の強さ、価値観との結びつきなどで変わることも示されています。
ここで重要なのは、確証バイアスは「情報を見た後」だけでなく、そもそも何を見るか?の段階から始まっているということです。
つまり人は、見た情報から偏るわけではなく、偏った情報だけを選ぶことで、さらに偏っていくというわけです。現代では、SNSの情報過多やアルゴリズムによって自分の興味関心に合う情報ばかりに囲まれやすい構造が、確証バイアスを助長しています。
4. 自信が強いほど、反対意見が入りにくくなるから
4つ目は、確信の強さ・過信です。自分の判断に強い自信があると、人はその後に入ってくる情報を公平に扱いにくくなります。2020年のNature Communicationsの研究では、ある判断に対する自信が高いと、その後の情報処理で支持的情報は強まり、反対情報の処理は著しく弱まることが示されました。
これは直感でも言えます。例えば「たぶんそうだと思う」という段階なら人はまだ揺れるでしょう。しかし「絶対にそうだ」と思った瞬間、情報の扱いは一変するわけです。
このとき、人は証拠を見ているようでいて、実際には自分の確信を守るための材料を見ています。確信は、判断を支える力にもなりますが、強すぎると修正不能な硬さにもなります。
そのため、確証バイアスが厄介なのは、無知なときより、むしろ自分はわかっていると思っているときに強く出ることなのです。
5. 信念が自分のアイデンティティと結びついているから
5つ目は、アイデンティティ保護です。人は単に「考え」を持っているだけではなく、その考えを通して「自分はどんな人間か」「どの集団に属しているか」を感じています。
それゆえ、ある信念を否定されることは、単に意見を否定されることではなく、自分自身や自分の居場所を脅かされることとして受け取ってしまいやすくなります。
文化的認知の研究でも、人は証拠そのものより、所属集団や価値観と整合的な結論を選びやすいことが示されてきました。
例えば「政治・宗教・教育・恋愛観・仕事観」のような、その人の生き方そのものに触れるテーマに該当し、人生で重要なものほど心の平穏を選ぶ傾向にあります。
つまり、単に人は間違いを恐れているのではなく、それ以上に、自分が自分でなくなることを恐れているわけです。だからこそ、自分の信念を守ることは、しばしば真実を守ることより優先されるわけです。
日常に潜む確証バイアスの事例・具体例

- 常識の固定概念
- 好き・依存への認識
1. 常識の固定概念
少し前までは、「大企業=安定」という常識がありました。これを信じて止まない人は、支持する情報だけを集めて、そうでない意見は避けたり、批判的になる傾向があります。
例えば、ホリエモン・与沢翼といった有名人による「大企業=安定ではない」「サラリーマンはラッドレース」という発言。これに対して反対意見をもつ方は、常識という固定概念を持っているがゆえに、聞き入れることができないのです。
このように、自身がこれまで「教わってきた・支持してきたこと」が間違っていると受け入れられないため、発言に対して批判的になり、支持する情報を集める言動を取り始めます。そして、このような行動こそ「確証バイアス」の典型例といえるわけです。
2. 好き・依存への認識
人間は、「好き」「依存」するものに対しても、支持する情報だけを集めるようになります。例えば「DVを受けているのに別れられない」という話を「耳にする・聞くことがある」という方も少なく無いでしょう。
これも、好きであるがゆえに「良い部分だけを見てしまい、それ以外の悪い部分を避けたり、疎かにしてしまっている」ということが原因です。また、このような状況下に対しても、確証バイアスのかかった状態であると言えます。
確証バイアスの「メリット・デメリット」

ここでは、確証バイアスが生じることで起こる「メリット・デメリット」について、具体的にどのようなものがあるのか?を解説していきます。
メリット
確証バイアスが働くメリットとして、ポジティブ思考に至るケースがあります。
例えば「間違いや失敗をおかしても、それを肯定する情報だけを集めて、そうでない情報は見ないようになる」という無意識的な行動を起こす状態です。
このとき、確証バイアスに陥っているおかげで間違いや失敗を認識しなくなるため、ポジティブに過ごすことができメンタルが安定しやすくなります。
そのため、確証バイアスが働くことによって「ポジティブに生きること」が可能となった結果、人生の幸福度が上がっていき物事も良い方へ向かいやすくなるでしょう。
デメリット
- 成長が阻害される
- ネガティブ思考
- トラブルの原因
1. 成長が阻害される
メリットでは、ポジティブ思考になることだと述べましたが、全てをポジティブに考えすぎても成長を阻害してしまうためデメリットになりえます。
これは「ポジティブ思考が良くない」という意味ではなく、行き過ぎたポジティブ思考がデメリットになるという意味です。
例えば「ポリアンナ症候群」というものがあり、これは「問題が生じたさいに細かなところや別視点から”良いところだけ”を探し見ることによって現実逃避すること」をいいます。
また、このような状態に陥ってしまうことで「失敗や間違いなどの問題が生じたとき」などに、全てを正当化してしまったり間違いを認めず突き進んでしまうため、デメリットになってしまうわけです。

2. ネガティブ思考
確証バイアスが働くことで、自己肯定感の低下・自信の低下・劣等感へつながるケースもあります。
なぜなら、確証バイアスは「自身の信じている情報を集める心理だから」です。例えば「嫌われている」と感じやすい人は、嫌われている情報ばかりに目がいき集めてしまったり、またそれ以外の情報や別視点からの意見は見ないようになります。
そのため「自己肯定感の低下・自信の低下・劣等感の現れ」などが生じてしまい、ネガティブ思考が日常的に働きやすく、その頻度が多くなるためデメリットとかします。
3. トラブルの原因
確証バイアスに陥ると、都合の良い情報だけを見て、そうでない情報は見れなくなくなります。
そのため、他者の意見や情報を否定したり「素直に受け入れること」が難しくなり、トラブルの原因を作る機会も増えてしまうわけです。
まとめ
確証バイアスとは、自分にとって都合の良いところだけをみて、そうでない部分・情報を避ける心理傾向。
のりそれでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
本記事が、読者さんのお役に立てると幸いです。






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コメント
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[…] そのため、これは認知バイアス(アンコンシャス・バイアス)の1種である「確証バイアス(都合の良い情報だけをみて、そうでない情報を避ける人)」に陥った状態ともいえるでしょう。 […]